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視点を変えたら見えてくる?アートを巡る天神の歩き方

  • 天神ビッグバン
  • 2022.2.24

注意深くまちを見渡すと、至る場所で見つかるのが彫刻やパブリックアートの存在。工事中の風景が日常になってきた天神ですが、視点を少し変えてみるといつもと違うまちの楽しみ方ができそうです。今回は天神アドレスをメインにまちで楽しめるアートを巡ってみたいと思います。

 

【天神では珍しいレトロモダンな建物】

まずは天神を代表するアートな建造物「福岡市赤煉瓦文化館」です。建物の裏には「水鏡天満宮」や趣ある「水鏡天満宮横丁」がありディープな天神を体感できるエリアに建造されています。日本生命保険株式会社九州支店として明治42年(1909)に竣工し、昭和44年に福岡市が買収しました。今は一般利用もできるカフェ&バーやコワーキングスペース、イベントスペースとして利用ができ、エンジニアの交流拠点「エンジニアカフェ」となっています。東京駅を手がけた辰野金吾により設計されたものであり、明治末期の煉瓦造建築物として価値が高く、国の重要文化財に指定されています。

 

【福岡市役所西側ふれあい広場】

●プリマヴェーラ/作者:エスター・ワートハイマー
福岡市役所のふれあい広場正面からみて左端にあるのが女性像「プリマヴェーラ」。イタリア語で春を意味し、希望に満ち躍動感あふれる様子が窺えます。春風を受けてなびく髪やスカートは繁栄への願い。大地に踏みしめた力強い両足は確かな成長の礎。発展を続ける福岡市の成長と繁栄を願っています。こんな思いが込められていたなんて!夜はライトアップされ、やさしい表情がさらに素敵になるそうです。

 


●プリーズ・リクエスト/作者:黒川 晃彦
ふれあい広場北側にあるベンチに腰掛けているのが「プリーズ・リクエスト」。男性はサックスを手にしており、タイトル通りリクエストしたくなる作品で、目を閉じるとサックスの音色が聞こえてきそう。隣に座ると一緒に写真を撮ってみたくなりますよ。黒川氏が手掛ける作品には、トランペットやフルート、サックスなどを持ったミュージシャンの彫刻が数多くあるそうです。

 

【片時も離れない二人が見てきた現在・過去・未来】


●恋人たち/作者:オシップ・ザッキン
車や人が多く行き交うの渡辺通り(福岡パルコ前)に鎮座するのは「恋人たち」。デフォルメされた銅像でよ~く見るとちゃんと顔が彫られています。表情こそ分かりづらいんですが、きっと愛を囁きあっているんでしょう。1年を通して仲良く寄り添うこの二人こそ、天神ビジネスセンタービルの竣工や天神コアとイムズの閉館など、まちの動きを1番近くで見てきたのかもしれませんね。

 

【子どもも喜ぶ待ち合わせスポット!パサージュ広場】
●カバの親子/作者:柴田 善二
大きな口を広げた母親のカバの隣にちょこんと寄り添うカバの子ども。2匹は穏やかそうな表情を浮かべのんびり散歩をしているよう。そんなカバの親子の性格を知っているのか、母親のお尻には鳥が乗り緩やかな時間を楽しんでいるようです。パサージュ広場に行くと、そんな動物たちに会うことができますよ。

 


キャプションボードには『この「カバの親子」を見て何かを感じてもらえれば幸です。』と作者の柴田さん。あなたは「カバの親子」をみて何を感じとりますか?

 

【あの巨匠が残した芸術を観るなら新天町!】

●作者/岡本太郎
「芸術は爆発だ」の名言で知られる日本を代表する芸術家 岡本太郎さん。そんな彼が描いた作品が新天町の社員食堂「新天町倶楽部」にあるというのは皆さんもご存知でしょう。1981年に開催された「新天まつり」で画伯を招き、それをきっかけに岡本太郎さん本人から超大作が寄贈されたんだとか。昭和・平成・令和と時代が変わってもその躍動感は失われていません。これを目の当たりにした人たちに「挑め!挑め!」とけしかけているようにも思えます。ちなみに、こちらのオムライスはファンが多いメニューのひとつ。ふわとろで絶品です。

 


↑アクロス前にあるのは菊竹清文さんによる作品「スターゲート」

 


↑済生会福岡総合病院の南側にも、菊竹清文さんが手掛けた「希望の鳥」があります。

ほかにも天神には、福岡銀行本店広場や警固公園など至る場所でアートが設けられ、見て触れられる機会が多くあります。それでは、ここからは番外編ということで天神から歩いて行ける著名人による作品をご紹介しましょう。

 

【西鉄グランドホテル前歩道】
●平和の門/作者:松永真
西鉄グランドホテル前の歩道には遊び心のあるオブジェ。こちらはカルビーやベネッセ、バンダイなど名立たる企業のロゴを手掛けたグラフィックデザイナーの松永真さんの作品。カエルやキリンなど5つのオブジェがあり、1番大きな「平和の門」は潜ることもできる身近に感じられるアートなんです。

 


●おかえり/作者:松永真
ユニークな5体は“メタル・フリークス”と名付けられた作品群の1つ。ぜひ、直接会いに行ってみてくださいね。

 

【あいれふ】

●無題/作者:キース・ヘリング
舞鶴の福岡市健康づくりセンター等複合施設「あいれふ」の正面に堂々たる姿を見せてくれるのは、ポップアートを語るに外せないキース・ヘリングさんによる約4mもある大きな作品です。地下鉄や建物の壁などストリートからアートを発信し、何よりアートの力で社会を変えたいと願った彼の作品がこの場所にあるというのは必然なのかもしれません。

 


●三つの帽子/作者:草間 彌生
建物の南側は‟前衛の女王“と呼ばれる草間彌生さんによる帽子の作品が並びます。毒々しい強烈なインパクトを与える水玉模様は彼女のアイデンティティの1つ。大濠公園にある黄色い南瓜が有名だと思いますが、草間さんの作品は天神エリアでも異彩を放っています。ここは2大アーティストの作品を同時に観られるミニアートストリートです。

福岡市内には、まちにはアートが溢れていました。街角に馴染み、市民の目を楽しませてくれるこんなアートこそ、まちに彩りを与えているのかもしれません。視点を変えると世界は広がります。ビルの建替え工事が続く天神でこんなまち歩きもオススメです。ぜひ、アートをきっかけに天神を回遊してみてはいかがでしょうか?

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