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44年間ありがとう!『天神コア』スタイリストが見続けた「ファッションの聖地」

  • 天神ビッグバン
  • 2020.4.5

1976年に開店した『天神コア』。2020年2月11日に閉店した『天神VIVRE』に続き、3月31日をもって『天神コア』は、その44年の歴史に幕を降ろします。

第1弾では、閉店間近の『天神コア』の様子を原野博仁館長のお話しと共にご紹介しました。第2弾は、『天神コア』のポスターや広告のスタイリングを担当したOKA KUMIKOさんに思い出をうかがいました。

 

●44年間異例の来館者数を誇った『天神コア』

百貨店の閉店やアパレル不況という言葉を耳にすることが多くなった最近の中にあって、『天神コア』には、平日で約40,000人、土日で約70,000人が来館しました。年間の来館者数は1,700万人にもなり、44年間、決して広いとは言えないファッションビルにこれほどの来客があるのは、異例と言われていました。

 

●ポスター展で振り返る『天神コア』

3階・4階のスペース、各階のエレベーターホールでは、1976年の開店から2019年までの『天神コア』の歴史を振り返る「コア44年の思い出プレイバック」が開催されていました。
4階で展示されていたのが、「44年のファッションと、福岡女子」。『天神コア』と、美容室『スイッチ』とのコラボレーション企画です。44年間の年表に合わせ、時代を代表するファッショントレンドとヘアスタイルを再現しパネルで紹介されていました。

 

3階では3月9日より、44年間ファッショントレンドを発信し続けた『天神コア』のポスター展が開催されていました。
1976年開業当時のキャッチフレーズは、クラスメイトをもじった「コアとあなたは暮らすメイト」。“コアと暮らしのお友達になりましょう”というメッセージが込められていました。

ポスターの撮影ができないため、こちらでご紹介できないのが残念ですが、1979年〜1980年には日本を代表する写真家・立木義浩氏がポスターの撮影をされていましたし、また、開業5周年の年間イメージガールにはなんと、あの山口小夜子さんを採用。1994年の年間キャラクターはCHARAさんが務めていたのです。

独創的で未来的なデザインと、斜め上をいくキャッチコピー。日本のトップクリエイターたちが作り出す『天神コア』の世界観は、福岡っ子を引きつけ、憧れを抱かせる強烈な引力がありました。

 

●44年間愛され続けた『天神コア』

ポスター展に併設されていたのが、来館したみなさんからのメッセージボード。小学生から40代〜50代の方まで多くの方がメッセージを寄せていました。あらためて『天神コア』の年齢層の幅の広さを感じます。

 

↑エレベーターホールにも別れを惜しむ、熱い熱いメッセージボードが所狭しと建ち並んでいます。

 

【天神コアの思い出(スタイリスト編)】
●『天神コア』は憧れの場所
「服飾の専門学校に西鉄電車で通っていた時、電車から『天神コア』に掛けられた懸垂幕を毎日見て通学してました。それがもうかっこよくてかっこよくて。憧れを抱きつつ、でもいつか絶対こんなかっこいい仕事ができたらいいな〜と思っていました。」そんな思い出を話してくださったのは、『天神コア』のポスターや広告のスタイリングに20年以上携わってきたスタイリストのOKA KUMIKOさん。
閉店のポスターや、閉館スペシャルムービーにもスタイリング&ディレクションという形で関わられています。「でも、そんなに憧れていた『天神コア』での初めての仕事は、全く覚えていなくて(笑)。多分、私自身も必死で記憶が飛んじゃってるんだと思います」とOKAさん。
『天神コア』の仕事はそれだけプレッシャーのかかる大舞台だったんですね。

●『天神コア』らしさを考え続けて
『天神コア』に限らず、たくさんの現場を経験してきたOKAさんによると、DCブランドブームや裏原宿系が流行していた90年代まではスタイリッシュで“みんなの憧れ”という印象が強かった『天神コア』。しかし、同じく90年代に一世を風靡したギャルブームが起こると、“憧れ”から “共感”へと、イメージが大きく変化してきたそうです。

「特に、『天神コア』は他のファッションビルや百貨店と比較しても独特の文化がありました。『天神コア』に来る客層は10代の中学生や高校生。彼女たちが“共感”できるスタイリングを常に考えていました」とOKAさん。

さらに、「SHOPスタッフは大変だったと思います。ギャルブームの時は、スタッフが着ているものを欲しがる人が急増した時代。コートを売ろうと思えば、スタッフは暖房の効いた暑い店内でも分厚いコートを着て汗だくで接客していましたね。そんな動きも『天神コア』ならではかもしれませんね。」

SHOPスタッフとお客さんとの関係も独特で「仲のよい隣のお姉さん」に会いにいくような親密さがありました。

「今の若い子たちは、私たちの時と比べると、目の前にあるものを感覚で瞬時に理解、判断する能力が非常に高いんです。だから、一瞬で“カッコいい”もしくは“ダサい”が判断されちゃう。私の仕事は“共感”できる“カッコよさ”を彼女たちに一瞬で感じてもらえるか。いつも自問し続けていました。」

●『天神コア』に関わってきたから感じること

『天神コア』の閉館動画にも関わったOKAさん。「撮影の現場を思い出すと、涙が出てきそうになりますね。エキストラのみなさんが、自分なりに一生懸命“コアらしさ”を考えて洋服を選んできていただいて。それが本当に華やかで格好よくて。子どもさんからシニア世代の方まで、みなさんがとても楽しそうで、なんかすごいな〜って感動しました」

「『天神コア』のあのマークをみると<天神に来たな〜>っていつも感じていました。コアはなくなってもコアの残像はずっと残ると思うんです。みなさんの中にも『天神コア』の思い出が残るといいなと思いますね。少し寂しいですが、これから天神がどう変わって行くのかが、とても楽しみですね。」

●OKA KUMIKOさんプロフィール
天神コア・ソラリアプラザ他九州のファッションビルの広告を始め企業CMやアーティストスタイリング・ディレクションなどを手がける。

 

●44年間ありがとう!天神コア!

一人ひとりの中にそれぞれの『天神コア』の思い出があります。
2020年3月31日、たくさんの人に惜しまれつつ、44年間の役目を終えます。
ここから始まる『天神ビックバン』。
さあ、新しい4年後の未来を楽しみにしつつ、『天神コア』も次の時代にバトンを渡します。
新しいドラマが生まれるまち、天神へ。
サヨナラ!天神コア!ありがとう!天神コア!
そのバトンは『天神ビックバン』が受け継ぎます!

2020年04月05日 08:00

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